昨日、娘の通っている幼稚園の発表会がありました。
発表会と言えば、1年の目玉イベント。
どの園でも、一年の集大成を作り上げるべく、子どもも先生も一番気合の入るイベントです。
仕事でお邪魔している幼稚園でも、この季節はどの園も独特の熱気に包まれます。
赤ちゃんに毛の生えたような、可愛らしい新入園児だった子どもたちが、どの子も立派に役を演じる姿は、我が子でなくても胸打たれ、涙が出ます。
娘は3月でやっと4歳になります。
年少さんのクラスでは、3月生まれは我が子しかいないため、クラスで一番最後に4歳になります。
昨年の、未就園児クラスの時には、まだ2歳で、大勢の人の前で演技をしたのだな・・・といちいち感慨深くひたってしまう、母、ナナホシです。笑
未就園児クラスの発表会は、『オオカミと七ひきの子ヤギ』を題材に、先生のピアノに合わせて、一人一人が自由に体を動かしました。
見せ場のオオカミ(着ぐるみを着た先生)登場で、一人だけ泣きながら場外に逃げるという、、、今では笑い話の、素敵な(?)思い出を残してくれた、可愛い長女です。笑
長女の園では、セリフや役や衣装のある、いわゆる一般的な“お遊戯会”はありません。
小道具はありますが、全員普段来ている体操服で演じます。
年中以降は、いくつかの役が登場しますが、演技中にクルクルと役柄が交代し、全ての子供がすべての役柄を演じるという、面白いスタイル。
ちなみに、年少さんは、全員で同じ役を、最初から最後まで演じます。
園の大切にしているのは、「普段の保育、普段の遊びの延長にすべての行事もある」ということ。
だから、運動会も、発表会も、「本番」に向けて「練習」するのではなく、日々の保育の中で「発表会ごっこ」という名前の活動を、遊びの中で取り組みながら、作品としてまとめ上げていきます。
私が長女の園を選んだ一番の理由は、この園の方針がとても素敵だと感じたから。
小学校に入れば、「本番」があって「練習」がある行事が目白押しです。
もちろん、何かの目標に向かって、クラス全体が熱気を持ってまとまっていく経験もとても大切だと思いますが、幼児の今、やらなくてもいいんじゃないかな、と思うのです。
発表会では、最初から最後まで、担任の先生が弾くピアノと、子どもたちの体を使った表現、歌、表情で物語が演じられていきます。
なので、よ~く見ていないと、どの場面の何を演じているのかさっぱりわかりません。笑
去年は、ビデオに可愛い我が子を残すことに必死になりながら、作品鑑賞をしたので、なんだかよくわからないまま、娘の演技が終わりました。
振り返っても、娘が場外に逃げるシーンしか心に残っていないという・・・苦笑
だから、今年は、ある決意を胸に。
そう、今年は自分の目と耳と心をフルに使って、発表会を全身で楽しむ。
ビデオも、カメラも持っていきませんでした。
いざ、発表会。
今年から、小さな園のホールで発表会をすることになったため(去年までは小学校の体育館を借りていました)、全てのクラスの保護者が入りきらないため、発表会自体が3日に渡って開かれます。
昨日観覧に来ていたのは、年少と未就園児クラスの保護者でした。
狭いホールが保護者の期待に包まれた中、発表会が始まりました。
年中、『ネバーエンディングストーリー』。
バスチアンとアトレーユが、友情をはぐくみながら共に冒険に挑み、成長する姿を見事に表現していて、初っ端で思わず泣かされました。
リボンと体の動きだけで、大迫力の嵐を表現する子どもたちの表情が、迫真の演技で、物語に引き込まれてしまいました。
未就園児クラス、『桃太郎』
桃から生まれるシーンから。みんなでパラバルーンの中でバルーンを揺らす姿が可愛かった!
途中、「そっちの席じゃないよ~!!」と、座る場所を間違えた子を説得しようと、演技そっちのけになってしまう子がいたり、お母さんの姿を客席に見つけ、泣いてしまう子がいたりと、見ていてハラハラするシーンもありましたが、先生は見守りながらピアノを弾き続け、自分たちで声を掛け合って、最後まで演じきった姿に大感動!子どもを信じて、見守る先生の姿勢にも脱帽です。
年少、『平成狸合戦ぽんぽこ』
長女の出番です!!
私は最大限の拍手!!!・・・あれ?拍手がまばら・・・そうか、皆ビデオを構えているので拍手ができないのですね。。。何だか少し、寂しい気持ちになりつつも、娘の出番へ意識を切り替え。
楽しくお山で遊んでいるシーンと、人間が現れて、住む場所を奪われ、戦うシーンで子どもたちの表情や声のトーンががらりと変わります。
いつも参観日は泣いてしまって参加できないあの子が、今日は大きなお口を開けて歌を歌ってる。いつもぼんやり、蚊帳の外のあの子が、友達と手を取って楽しく演じている。
長女だけでなく、クラスのみんなの成長が分かるから、なんだか、もう、全員抱きしめたくなりました。
きっと、カメラを覗きながらだったら、我が子しか目に入っていなかっただろうな。
年長、『小公女』
正直、幼稚園児にこの題材ができるのか、と驚きました。
でも、そんな心配は、演技が始まるとふっとんでしましました。
お金持ちの子どもたちの意地悪な顔。
ベッキーの悲しそうな表情。
父の死を知ったときのセーラの悲しみ。
セーラとベッキーの友情。
よくぞここまで、まとめあげたな、と、もう拍手喝采です。
途中、意地悪なお金持ち役を演じていた子どもが、次のシーンではベッキーを演じたりと、配役がクルクル入れ替わるのですが、どの子も、即座に自分の役になりきって、迫真の演技。その集中力に脱帽です。
正直、幼稚園児の発表会で、ここまで楽しませてもらえるとは思いもしませんでした。
今、記事を書きながら、また感動がこみ上げてきて、泣きそうです。笑
こんなにも全身で楽しめたのは、全て、子どもたちと、ここまで子どもたちをまとめ上げた先生方のおかげです。
でも、少しだけ、「カメラ・ビデオは持って行かない」という、自分の決意も一役買ったのではないかな、と思います。
ちなみに、ビデオの販売や、写真の販売を後日してくれるとのこと。
「記録」はプロにお任せして、旦那さんには、そっちを見てもらえばいいかな、って思っています。笑
来年は、次女も未就園児に通う予定。
これは、もう、仕事だなんて言っていられない。
今しか味わえない、この瞬間のために、余計なモノはいらない。
この瞬間に優先するものはない、と思いました。
旦那さんも、是非仕事を調整して、一緒に見られたらいいな、と思っています。
今日は写真もリンクも貼りません。
私の感動が、一人でもいいから、読者の方に伝わるといいな。
そして、「記録」を手放し、「今ここ」を味わう、という小さな決断と、我が子のかけがえのない姿を心に焼き付けられる喜びを、一人でもいいから味わってもらえたらいいな、そんな風に思います。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!